7日目(講義) なんと未来創造塾

なんと未来創造塾

7日目を開催しました

 7日目の塾は、たなべ、やつしろ、あそ、あまくさ、きくち、やまが、こまつ、なんとの8地区すべて熊本大学からのオンラインという形での合同開催となりました。
 この日は、子育て支援による人口減少の歯止めとビジネスについて、以下のように講義いただきました。

・「コミュニティ形成による価値創造とその手法」
  熊本大学 副学長・教授 金岡 省吾氏

・「スポーツを通じた共助のまちづくり」
  (一社)くま川スポーツアカデミー 代表 松嶋 純也氏

・「ママの「声」から生まれた託児所とコミュニティ」
  (株)onlyone benefit 小山 葵氏

 


コミュニティ形成による価値創造とその手法

熊本大学副学長・教授 金岡省吾氏

 今までそれぞれの塾で、地方創生とは何ですか、と質問してきました。その際に、「年齢階級別純移動数の時系列分析」のグラフを使って、人口流出・流入の時期などについて説明しました。このことについては、自分の言葉で説明できるようになってほしいと思います。進学や就職でいったん流出した人口が戻ってくるためには、魅力を感じる何かが必要です。今日は、柔らかいコミュニティについて考えたいと思います。

 都会の企業は、コミュニティに関心を持っています。積水ハウスや旭化成、良品計画などが、子育て世代のコミュニティの機能を持った住宅を開発しています。長野県下條村では道路整備などを住民が行って経費を節約して若者定住促進住宅を建設していますが、入居条件には消防団加入などがあり、地域活動と入居がセットになっています。千葉県流山市では、共働き子育て世帯をターゲットに許認可保育園、送迎保育ステーションなどを整備しています。
 舟橋村の「子育て共助のまちづくり」についてお話しします。舟橋村は富山市から電車で20分ほどのところにある面積3.5平方キロメートルほどの小さな村です。
 この村の人口は、平成の初め頃は1,500人ほどでしたが、平成27年には3,000人ほどに増えています。これは田んぼを宅地にして宅地造成をしたからです。当時地価は富山市と比べて格安でしたから、子育て世帯が流入しました。しかしその後、富山市の地価が下がり舟橋村の地価は変化がなかったので、割安感がなくなり、流入が止まりました。
 舟橋村役場職員が、勉強会を通して人口増を実現した地域を研究した結果、鹿児島県徳之島の伊仙町の出生率が高く、その理由は「子どもは地域で育てる」という考えから風潮だということがわかりました。そこで、舟橋村は「子育て共助のまちづくり」を掲げて、子育て環境づくり、公園整備、宅地造成を連携して推進することにしました。
 そこで、事業者でイメージの共有などを行ったのですが、残念ながらうまくいきませんでした。そこで、企業が自ら考えられるように勉強会・意見交換会などを行い、村が伴走支援しました。その結果、「いろいろ足りない」子育て支援センターや舟橋型パークマネジメントなどが実現し、再び人口が増加しました。

 もう一つ、富山県魚津市の魚津三太郎塾での事例を紹介します。大島さんは2017年にマカロン専門店を開業し、魚津三太郎塾にも参加しました。その中で子育て中のフリーランスママが、自分たちの働き方についての課題を解決するためのビジネスプランとしてココママを結成しました。ココママでは、マルシェを開催したりスキルアップ勉強会、育児の助け合いなどを行っています。

 


グループからの発表

私も1歳の子どもがいて、子育てしながら和菓子屋をしていますが、私の父母の協力でやっと店が回っているという感じです。一人でいろいろ悩みを抱え込む時もあるのですが、そういう時に同じような教遇の方と悩みを共有したりイノベーションを生み出すような会話ができる場があるといいと思いました。

 私は、女性は嫁いで来た時の孤独であったり、子育てする中でのいろいろな悩みがあっての孤独があるので、悩みを話し合える、分かち合えるコミュニティが大切だと思いましたし、そういうコミュニティがあるところに女性は住みたいと思うと思いました。

 我々のところでもやはりコミュニティの大切さがみんな共通して出てきました。自分たちだったら孤立してる人たちのコミュニティを作りたいとか考えました。私も消防団に入っていますが、そんなにうまく行っいてるところがあるのかとちょっとびっくりしました。いろんなコミュニティを作ってそこに参加することによって、今までにはなかったアイデアが生まれるんじゃないかという話も出ました。


 コミュニティの重要性は一致してるんですけれども、昔ながらの田舎で生きていくためのガチガチとしたコミュニティが嫌になって一旦外に出て戻って来る方もいると思いますが、今回紹介されたポジティブなコミュニティが、行政やいろいろな人を巻き込んでいくことで理解が広がっていくというところが最終目標だという意見が出ました。私も、子育て支援が魅力で東京から移住してきましたが、実際には子育て世代のつながりが薄いと感じました。不安を共有できるような場があるだけで助かると思いました。

 

スポーツを通じて共助のまちづくり

(一社)くま川スポーツアカデミー 代表 松嶋 純也氏

 私は、サッカークラブとダンスクラブを二本柱として、スポーツ活動を通じて子育て支援や地域活動に取り組んでいます。います。今日は、スポーツを通じて、子育て共助のまちづくり、コミュニティ・共助が武器になるというテーマで私の実践と未来創造塾での学びをお話しします。

 私はいま38歳で子どもが2人います。生まれは熊本県多良木町で、高校卒業後に新潟県柴田市のジャパンサッカーカレッジでスポーツトレーナーについて学びました。そのあと熊本県八代市で就職し、今は宇城市に住んでいて八代に通っています。25歳で起業し8年になりました。やつしろ未来創造塾の1期生です。
 弊社の紹介をします。ダンスとサッカーの二本柱の土台となる事業として、保育園で子どもに運動を教える親子でホリデー、公式LINE八代こどもイベント情報の運営、地域移行した5チームの部活サポート、体育が苦手な子どもを対象としたくまスポ体育スクール、民間型学童保育を行っています。総数520名ほどの子どもたちの会員が所属しています。
 皆さんにお伝えしたいことは、1つ目は、スポーツは地域の未来を作る共助助の場になる、ということです。「スポーツ」は「子育て」でもいいかと思います。2つ目は、地域の困り事はビジネスの チャンスになる、そして3つ目は、未来創造塾で地域の見方が変わった、ということです。

 始めに八代市について紹介します。人口は12万3千人で、私が入塾した6年前よりも年間約千人ずつ減少しています。トマト、石工、五家荘などが有名です。10月には花火大会、11月には妙見祭があります。

 八代市の地域課題は、塾に関わる全ての地域の共通課題だと思いますが、人口減少と少子化です。私が未来創造塾に入った時に考えた課題が2つありました。一つは学童保育の待機児童が多いこと、もう一つは親子で休日を過ごすような楽しいようなイベントが少ないことでした。
 弊社の課題としては、小学校1、2年生の会員がとても少なかったことです。1、2年生が少ないということは、この先の経営が安定しないし、ちょうどコロナの時期もあって習いごとの参加が増えない状況でした。また、夜に練習を行っていたので、共働きの家庭には通わせづらいという問題もありました。

 塾で私がつくったビジネスプランは2つあって、一つ目は民間で学童保育を運営して、学童保育と習いごとを一体化するというものでした。学校に子どもたちを迎えに行ってみんなで宿題をし、それからサッカーやダンスを習う、という形です。これを始めたことで、小学校1,2年生が定員いっぱいになり、経営の安定化につながりました。
 もう一つは親子でホリデーというイベントです。それまで実施していたイベントは、疲労感だけが残り売り上げにつながらないものでした。そこで、年に2回、スポーツを体験するイベントを行いました。5月には「逃走中」を企画して子どもたちと鬼ごっこをしたところとても盛り上がりました。9月は、もくもくふれあい祭りと救急の日とコラボして実施しました。紙飛行機を飛ばしたり水鉄砲で打ち合いをしたりして盛り上がりました。
 これら2つのイベントでは、修了生や塾生も含めて多くの方に関わってもらいました。

 皆さんの地域にはどんなお困り事がありますか?子育て、教育、地域の繋がりなど、どこかで誰かが困っていませんか。私たちはスポーツを、競技だけでなく共助のきっかけと捉えています。例えば、放課後居場所がない子どもたちに、スポーツを通じた安心できる空間を届けたり、親子で参加できるイベントを通じて、地域の大人たちの顔の見える関係を築いたりしています。地域の困り事に向き合うことは新しい価値を生み出すチャンスです。
 未来創造塾に入って良かったことは、地域の見方が変わったことです。自分の地域のことを知るきっかけもなかったので、地域とのつながりを持つことが重要だと感じました。また、経営が安定しました。特に低学年の土台が固まりました。塾生とつながってビジネスのチャンスもできました。

 


ママの「声」から生まれた託児所とコミュニティ

(株)onlyone benefit 小山 葵氏

 私の本業はファイナンシャルプランナー(FP)で、田辺市を中心に13年ほどFPとして活動してきました。私がFPをやっている理由は、私の過去の体験の中で、知らないと損することだらけだと感じたからです。13年ほど前に家を買ったのですが、お金とかローンとか、家を買う時には分からないことがたくさん出てくるのですが、それがあまりにも分からなさすぎて心底困った経験がありました。そういう経験から、お金のことで困る人生は嫌だと思ってFPの資格を取りました。自分の困った経験を生かして、お金の相談を通じて地域の人、特に女性を応援したいと思っています。
 普段の本業は、住宅の相談や資産運用などが中心なのですが、メインターゲットが子育て世代なので、地域の課題も子育て世代の人口減少です。人口減少を止めるのは難しいですが、緩やかにするには何が必要かと自分なりに考えたところ、働くことが重要なキーワードだと思いました。特に女性の働く選択肢が地方では少ないことを普段から感じています。子どもを出産してその後正社員を続けるかパートにするかを悩んでる方が多いのですが、起業という選択肢がありません。また、田辺市は、和歌山県の中でも子育てサービスが少ないエリアで、これも課題だと思いました。

 そこで、初めにフリーペーパーを作りました。そこでは、働くお母さん、特に起業しているお母さんの特集をしました。私自身も、正社員もやったことがあるしパートで働いたこともあります。今は起業してるのですが、それぞれに働き方の良さがありました。働く選択肢を気にする理由は、働く選択肢イコール働きやすさだと思っているからです。正社員でバリバリ働くのが大好きという人もいれば、起業して家で子どもが帰ってくる時間にはちゃんと家にいるような生活を望んでいる人もいると思うので、働きやすさが増せば地域の子育てもしやすくなると思いました。ちょうどコロナ禍ということで、新聞社、テレビ局が取り上げてくれました。特集で取り上げた起業したお母さんからも、集客に繋がった、という声をもらいました。ただ、一人でやるには大変でした。当時は予算もなかったので、企画、取材、執筆すべて自分一人でやり、2回発行しましたが力尽きました。ここでは収益が取れず、現在は休止中です。
 その次にやったのがイベントです。コロナ禍でリアルなイベントがなく、コロナが終わりかけのころにコロナ関連の補助金が使えるという話もあり、感染対策として屋外で実施しようと、ちょっと寂しい公園があったので、そこを使ったイベントを企画しました。起業したお母さんを大勢見つけるのが難しかったので、起業したお母さんもそうじゃない人もいろいろ入ったマルシェになりました。この時も塾の仲間にたくさん出店してもらいました。地域のお店と親子をつなぐということで、体験型を売りに企画したところ普段誰もいない公園にたくさんの親子連れが来てくれました。飲食店も午前中でほぼ売り切れ状態でした。この公園ではSLを展示しているのですが、普段は眺めるだけのSLに入って体験できるということで長蛇の列ができました。近くの川でカヌーに乗る、職業体験としてかき氷屋を体験するなど好評で、リアルな体験を皆さんが求めているのだと感じました。集客したい時は体験ですね。

 イベントの次を考えたとき、やはり根本的な課題解決をしていきたいと思いました。それで去年、一時預かり専門の託児所もいもいを開業しました。田辺で子育てしてもいいと思うには、支援サービスが必要だとずっと思っていました。FPの相談でも、子連れでいいか、とか、子どもがうるさくて、とか気にかける人が多くて、これはおかしいと思っていました。たまたまいい物件が出たので、託児所を立ち上げました。お金をしっかり借りて始めたので、今は借金まみれですが、ビジネスとして成り立たせるためにチャレンジ中です。もいもいの一番の売りは利便性です。1時間から、当日でも、理由は不問、です。また、建物が狭いので、フィンランド式で遊びが中心の少人数制も売りにしました。アプリで子どもの様子が確認できるようにもしました。さらに、スタッフの子育ても応援していて、出勤日はスタッフの希望休を100%実現していて、出勤できる人がいない場合は閉所しています。
 託児所は現在は単体では赤字ですが、本業の FP事業とつながり始めました。託児所利用のお客さんが私のFPの講座とかセミナーにも来てくれるようになり、FPの方で収益が上がっています。
同じ目的を持った人たちとコミュニティを作って、活動の規模を広げていくことが重要です。特に近い事業者同士で連携して活動するのもいいですね。地方は一人で何かやるには大変ですが、一緒にやればできることもたくさんあるというのがこの5年間の感想です。お聞きの皆さんとの連携も楽しみにしています。

 



Copyright (C) 2024 なんと未来創造塾 All Rights Reserved.

▲ ページの先頭に戻る