6日目は、なんと未来創造塾5期生2名に、塾での取り組みや発表したビジネスプラン、さらにその後1年ほどでの進捗なども合わせて、6期生に講義してもらいました。
「自分とつながる『哲学カフェin南砺』」
Mari Art Philosophia 米倉 真理氏
「寄り添う心が未来をつくる拠点 城端よりそい横丁」
(株)さとう美装 佐藤 良介氏
Mari Art Philosophia 米倉 真理氏
現在、南砺市利賀村に在住していて、家族9人で生活しています。元々小学校の教員をしていて、南砺市内の小学校に23年ほどいました。しかし、家庭と仕事と自分の体や心の健康のバランスが取りきれないと感じて、退職しました。これから私は何をしていこうかと考えていろいろ模索しました。今は表現作家です。教員を辞めたばかりの頃は、ライター、デザインのお仕事を受託していましたが、次第に私自身が感じたものを外に向かって表現していきたいと考えるようになりました。文章を書く、絵を描く、演じる、歌う、作る、話す、対話する、すべてが表現に繋がっているということで表現作家です。アクセサリー政策や司会、ファシリテーションなども油会っていますし、数を使ったコーチング、などもやっています。
なぜ未来創造塾に入ったのかというと、教員を辞めてからのいろいろな仕事は、ずっとやり続けたいかというと何か違う気がしたし、ビジネスにも結び付かない感じでした。そんな中で南砺市の仕事に少し関わることがあって南砺市をことを知る機会がありました。南砺市には課題が多いです。それに対して何ができるのか、という問いが立ちました。私自身は消極的な南砺市民で、好きで住んでいるというわけではなくて南砺市を選んだわけでもなく、利賀を選んだわけでもありません。実家も南砺市内ですが、結婚した相手が利賀の人で、利賀に住むことになりました。そこで、どうせ住むのなら、私が心地よいと感じる場所にしたいと思い、自分の持っている力でよい関わりができないかと考えて未来創造塾に入ることにしました。ですから、自分のビジネスがない状態で、最後にビジネスプランを発表する、ということになりました。
南砺市には、子育て、インフラ整備、高齢化など、課題がゴロゴロ転がっています。私が南砺市民として一番の不満は、新しいことに挑戦することに周囲の人が否定的だったり分かってもらえなかったりすることです。他人のことより自分の人生に目を向けて、何をしたいのか、何を感じているのかを考えてほしいと思い、私はこれを地域課題として捉えることにしました。
そして、自分が得意とする分野で活かせることは何か、を考えました。自己理解は対話を中心に育まれているものだし、自己理解ができることで他者理解もできるようになるのだから、そういう場がつくれたらよいのではないか、そこで自分の考えを他者に伝え、対話を通したフィードバックによって新たな気づきが得られ、自身の変容が生まれる、と考えました。そこで、安心安全な対話の場として、哲学カフェを開催する、というビジネスプランをつくりました。哲学と言っても、答えのない問いに対して自分の考えを伝え、相手からの話を聞くことで、否定されない安全な場で、自己理解、自己開示、自己受容が促され、他者受容にもつながっていく場です。南砺市が、自分の幸せ、生活のバランス、これからの生き方など、自分で考えた道を実現できる場所になることで、南砺で生まれた若い人たちが、南砺に戻ってきてくれるのではないかと思います。受容性、寛容性が高い南砺市になることで、若者が魅力を感じてくれると思います。南砺市は高齢者の自殺率が高く、精神的なつながりの希薄さも問題かと思います。また、南砺市の総合計画の資料を見ると、寛容な社会が形成されていると感じる市民が26.6%で30代以降が低いというデータもあります。そういう意味でも、少しずつでもいいから南砺市の寛容性を高めていくことが必要だと思います。
修了式の前から今年の4月頃までの間に10回ほど哲学カフェを開催しました。南砺市内の喫茶店、イベント会場の一角、美術館などいろいろな場所で、日ごろあまり考えることのない「美しさ」とか「表現」、「幸せ」などをテーマに行いました。参加者は、日頃考えることがないから面白い、表現することで自分の考えに気づける、安心して自分の思いが話せた、もっといろいろは那奈氏がしてみたい、などの感想が聞かれました。一人でやっていくには南砺市は大きすぎるので、取り組みが広がっていったらいいなと思いました。
しかし、場所の予約や参加者募集など結構大変でした。これからの持続可能性を考えると、参加を安定させるために場所や時間帯を固定する、話す内容の深みを変えて「ディープ版」「ライト版」を作るなど、これからの哲学カフェの設定について考えないといけないと思っています。また、地域づくり協議会のサロンや婦人会の集まりに呼んでもらうようにすることも必要だと思います。企業の研修として行う形も実施してみましたが、面白いですね。
最後に塾生の皆さんにお伝えしたいことは、自分の得意を活かすことが近道だ、ということです。塾の同期や先輩との関わりもありがたかったです。同期と話す中で新しい考えが生まれたり協力できることが見つかったりなど、財産になります。また、
とりあえず小さくてもいいからやってみることが大切だと思いました。やってみてわかることも多いですね。
グループでいろいろ話をしましたが、紹介してもらったようなコミュニティが必要とされているのではないかという話がありました。高齢者の自殺率が高いことについて、こういうコミュニティが必要なのだろうけれども、ターゲット層がなかなか来てくれないことになるのではないかという話も出ました。規模や頻度、参加者募集のしかたなども難しいという話もありました。
昨年、米倉さんを招聘して、数秘術を使って企業研修をしてもらいました。米倉さんに来てもらってコミュニケーションのきっかけを提供してもらうことで、マイルドな研修会になりました。
高齢者の自殺率が高いことに衝撃を受けて、そのことについて話し合っていました。南砺市の高齢者の貧困や疾病率などが原因として隠れているのではないかという話も出ましたが答えはわかりません。そういう人にアプローチするにはどうしたらいいかは難しいですが、自己肯定感を高めるアプローチはとても大切だと思います。
「寄り添う心が未来をつくる拠点 城端よりそい横丁」
(株)さとう美装 佐藤 良介氏
塾生の皆さんがさまざまな学びを得る中で、実際の数字が一番知りたいところだと思いましたので、今日の資料では、よりそい横丁の売り上げについて細かい資料を提示しました。
まず皆さんには、自分自身の時間の管理をしっかりとして行動してほしいと思います。なんと未来創造塾はボランティアで構成されているわけではなくて、ビジネスという視点でお金が絡んできていて、講師の話も真剣に聞いていただいてしっかり向き合っていってほしいと思います。
では、今から、修了式で私が発表したプレゼンテーションを再現しながら、私のビジネスプランを紹介します。
南砺市城端で生まれ育ち、今は株式会社さとう美装の代表取締役をしています。また、所属している団体も多く、日々学びを深めています。南砺市城端の地域課題や現状としては、遅くまで飲食できる店が少ない、ということが挙げられます。具体的には、23時以降に営業しているのは2軒のみで、30人規模の団体利用可能なスペースはあまりない状況です。南砺市の飲食店の数としては、それほど少ないとも言えないのですが、遅くまで営業している店が少ない、という状況なのです。また、会合やワークショップに適した場所が少ないです。公民館などの施設はありますが、Wi-FI環境がなかったりモニターなどの設備が整っていなかったり、同じ場所で飲食ができなかったりなど、使い勝手の良いところは少ないのです。さらに、新規事業に挑戦できる場所が極端に少ないことも課題です。そこで、よりそい横丁をつくって、挑戦と憩いの場を創出することにしました。よりそい横丁には、調理スペース、飲食・ワークショップスペース、プレゼンスペースがあって、プレゼンスペースには75インチのモニターがあります。店舗の経営理念は、よりそい、喜び、幸せ、安らぎです。
新規事業に挑戦できる場所が意外と少ないです。1番大きい施設は、城端の桜ヶ池公園の桜クリエで、50人ほど入れる厨房施設があり格安で使えます。調べれば他にも場所はあります。
よりそい横丁は、補助金を2つ使って空き家を改修して作りましたが、実際に改修を行ってみると当初の予算からかなりオーバーしました。かなり厳しい金額で、飲食店をつくるのはなかなか敷居が高いと感じました。
よりそい横丁は、今は居酒屋をやっていますが、基本的には挑戦したい人を後押しする場と考えています。どなたかに入っていただけたらいいという考えで経営していますが、周知が十分ではないので、これからですね。
挑戦する場を提供してあと押しすると言いつつも、箱だけ作って場所を紹介するだけではダメだと考えて、実際に使ってみての感覚を体験している中での金土の居酒屋営業というところです。これは当初から予定していたことです。金土以外は、会合やワークショップで場所を使いたい人に貸出しています。併せて懇親会等での飲食もついてくる場合は、会合などの場所代は無料にしています。例えば1時間、モニターやWi-Fiを使って会議を行い、そのあとで懇親会を楽しんでいただく、という感じです。これが、金土以外の予約の営業です。
起業前の収支予測表を示します。金土だけの営業ですので月に8日ほどで、他に予約が2日ほどあって、月10日の営業です。月の客数として100人と想定して、1日10人来ていただければよい、という形です。人件費としては、南砺市内では高めに設定しています。他に借入金の返済なども入れて、客一人当たり4,500円を使うと考えると、予想収益は2万円弱となり、ここだけのもうけで暮らしていくことはできません。
私の場合はさとう美装がメインの事業で、よりそい横丁は地域のためにやりたいと考えているということで、今説明した数字でも、数百万円は借入可能だと思います。借入先は銀行さんで、商工会青年部の異業種交流の際にお話しさせていただいたこともあってそこからお借りしました。
さとう美装についてですが、シャッターの施工販売の会社です。小さな会社で現場に出るのは私を含めて3人です。だから、普段は作業服で現場仕事をしていて、夜に事務作業をしています。私で4代目で、25歳で会社を受け継ぎましたが、実際には会社の名前を受け継いだだけでもともとの商売は廃業しました。もともとは仏壇や和室の建具の塗装などを専門にしていましたが、20数年前の水害で機械が水没し、仏壇や建具も売れなくなってきていたので、廃業したということです。今の事業は、住宅修繕サービス、PCスマホ修繕サービス、お掃除サービスなどです。ですから、普通ですと飲食店はやらないですね。日中の仕事を抱えて夜も飲食店だと、体力的にも限界が来ます。
今からお見せする数字は、3月からの実際の売り上げです。それぞれの月でお客さんが多かったり予約で金土以外の売り上げがあったり、金土なのに売り上げがなかったり、客単価が想定の4,500円を下回ったりしています。月によって赤字が出ています。自分だけではなくてスタッフを雇用しているので、お客さんが少ないと人件費で赤字になります。飲食店は儲かりやすいというイメージがあるかと思いますが、なかなか難しいですね。アルコールやソフトドリンクなど、結構高い価格なので、そう思われるかもしれませんが、例えば生ビールは原価が高いですね。樽生ビールだと、売れ残っても捨てないといけなかったりします。ソフトドリンクも原価が結構高いです。
なんと未来創造塾を受講する前から、こういうことをしてみたいと漠然と考えていました。それを未来創造塾で具現化して、ブラッシュアップして現在につながった、と思います。出来上がったコンセプトは、地域に密着して人々に寄り添うあたたかな空間で、人と人との交流が笑顔と喜びを生み、挑戦する人を応援しながら地域とともに幸せを築いていく、という感じです。
最後になりますが、よりそい横丁を開業して場所づくりをしても、開業のノウハウを支援できるのが一人だけという状況では、つながりをつくるには足りません。そこで、よりそいコミュニティという組織を8人で立ち上げました。地域の未来を継ぐために開業支援・アドバイスを行って新たな挑戦に寄り添うことで、城端の発展を目指すということで、理念はよりそい横丁と同じです。よりそい横丁とよりそいコミュニティが一体となることで、よいよい未来を創っていきたいです。
<グループ>
細かな内部資料を出していただいてありがとうございます。予約の際のスタッフの確保はどのようにしていますか。それと、かなりの手出しがあったとお聞きしましたが、佐藤さんがやっている共助のような取り組みの原動力は何ですか。開業支援も商工会がやることのような気がしますが、あえて自分でやっているのはなぜですか。
予約は1週間以上前から、早い人は1か月前から頂いていることがほとんどで、突発的な予約は今まで1件だけです。また、今のところ予約する人は全員私の知っている人です。突発的な予約の際は、スタッフは私と妻ともう一人お願いして何とか切り抜けました。
原動力については、公民館がないということでした。公民館がない地区では、祭りの稽古などは個人宅の座敷で行ったりしていましたが、空き家が増えてきて家を借りることも難しくなってきました。町がよくならないと、そこに暮らす人たちの環境もよくなりません。地域が衰退していくと、人口も流出していきます。さすがに今回は大きな金額になりましたが、何とかなるのではないかと思っています。もしつぶれていたらそのように理解していただければと思います。人口が減っていると言っても、祭りがおこなわれていた江戸時代に人口が戻りつつあるという考えもあります。そこからまた人口が増えたり、会社が増えたりするかもしれませんね。お金については、私は使った分だけ帰ってくる、と考えていることもあります。
よりそいコミュニティについてですが、商工会に行けば無料で相談が受けられます。年会費は1万円台です。相談もいろいろな専門家から受けられます。ただ、17時で終わってしまいます。よりそいコミュニティでは、直接的はサポートはしません。アドバイスを受ける相手を紹介するのですが、大体日中は仕事をしているので、夜連絡が取れることが多いです。それで、夜に相談となる、というわけです。
開業してみて予期せぬよかったことがあったら教えてください。
人とのつながりで、開業するにあたっていろいろな方に助けられました。新聞やテレビでも報道してもらいました。広報紙にも載せてもらいました。
よりそいコミュニティでサポートした実績はありますか。
実績はまだですが、相談は何件かありました。今は、一般社団法人化することを検討していますし、HPも整備したいと思います。
Q:細かな内部資料を出していただいてありがとうございます。予約の際のスタッフの確保はどのようにしていますか。
A:予約は1週間以上前から、早い人は1か月前から頂いていることがほとんどで、突発的な予約は今まで1件だけです。また、今のところ予約する人は全員私の知っている人です。突発的な予約の際は、スタッフは私と妻ともう一人お願いして何とか切り抜けました。
Q:かなりの手出しがあったとお聞きしましたが、佐藤さんがやっている共助のような取り組みの原動力は何ですか。
A:原動力については、公民館がないということでした。公民館がない地区では、祭りの稽古などは個人宅の座敷で行ったりしていましたが、空き家が増えてきて家を借りることも難しくなってきました。町がよくならないと、そこに暮らす人たちの環境もよくなりません。地域が衰退していくと、人口も流出していきます。さすがに今回は大きな金額になりましたが、何とかなるのではないかと思っています。もしつぶれていたらそのように理解していただければと思います。人口が減っていると言っても、祭りがおこなわれていた江戸時代に人口が戻りつつあるという考えもあります。そこからまた人口が増えたり、会社が増えたりするかもしれませんね。お金については、私は使った分だけ帰ってくる、と考えていることもあります。
Q:開業支援は商工会がやることのような気がしますが、あえて自分でやっているのはなぜですか。
A:よりそいコミュニティについてですが、商工会に行けば無料で相談が受けられます。年会費は1万円台です。相談もいろいろな専門家から受けられます。ただ、17時で終わってしまいます。よりそいコミュニティでは、直接的はサポートはしません。アドバイスを受ける相手を紹介するのですが、大体日中は仕事をしているので、夜連絡が取れることが多いです。それで、夜に相談となる、というわけです。
Q:開業してみて予期せぬよかったことがあったら教えてください。
A:人とのつながりです。開業するにあたっていろいろな方に助けられました。新聞やテレビでも報道してもらいました。広報紙にも載せてもらいました。
Q:よりそいコミュニティでサポートした実績はありますか。
A:実績はまだですが、相談は何件かありました。今は、一般社団法人化することを検討していますし、HPも整備したいと思います。