1日目(開講式) なんと未来創造塾

なんと未来創造塾

第7期開講式を開催しました

開会挨拶

主催者挨拶  なんと未来創造塾長・南砺市長 田中 幹夫

 冒頭、令和8年熊本地震で被災された方にお見舞いを申し上げます。1日も早い復旧復興を願っています。
 なんと未来創造塾に参画いただいた皆さんに感謝申し上げます。私は塾長なのですが、塾長のする仕事は、皆さんのビジネスプランの実現を一生懸命応援することです。そしてこの塾が全国に広がって、災害からの復興を手伝いできるような塾になることを願っています。
 昨年2月に第6期の修了式があり、塾生がそれぞれビジネスプランを発表されました。地域の課題とビジネスをどのように結びつけるかという話をお伺いしましたが、それぞれに行動を起こし、すでに動き始めている事例もいくつかあると聞いています。今期も人口減少によりシュリンクしていく社会の中で活力のあるアイディアが生まれてくると思っています。
 今日から未来創造塾が始まりますが、塾生OB・OGも58名いて、その人たちとの連携によって、新しいまちづくり、地域づくり、課題解決の道を探していくことになります。来年2月の発表会を楽しみにしています。これからの学びや実践を通して、人とつながり、よりよいプランができるよう頑張ってください。

 

主催者挨拶  熊本大学教授・副学長/共創学環長 金岡 省吾

 始めに、熊本の地震災害に際して迅速なご支援をいただき、お礼申し上げます。改めて、つながりの重要性を実感しているところです。
 未来創造塾は2008年に富山大学の研究室と魚津市でスタートし、2016年には和歌山県田辺市に広がり、その後熊本県内、南砺市などにも展開し、日本YEGとの連携により更なる広がりを見せて、昨年までに13地域で修了生を541名輩出しています。
 なんと未来創造塾も昨年度までに58名の修了生を輩出しており、そろそろ次のステージに移行する時期かと思います。高校や大学などとも連携して地域活性化に向けた新たな共創の場を作り上げ、南砺の新たな価値創造に取り組んでください。
 塾生の皆さんの企業の課題と南砺市の抱える地域課題を一緒に考えることで、半年後の皆さんのビジネスプランが出来上がることと思います。実り多い学びとなるよう期待しています。

 

来賓挨拶  日本政策金融公庫高岡支店長 野上 敏充氏

 今年度もなんと未来創造塾が開講されますことをお喜び申し上げます。
 これからの半年間の豊富で貴重なカリキュラムによる学びの中から、ヒントやためになる知識が得られると思います。それをもとに自分のアイディア、発想を爆発させていただいて、皆さんにいいプランを創っていただきたいと思います。
 私は高岡支店に来て1年になりますが、南砺市は伝統や文化など魅力の多いところだと考えています。さらにこれからテーマパークやデータセンターもできてきます。
 日本政策金融公庫は融資支援以外にもさまざまな情報提供を行って、地域振興、地域発展のために日々活動しています。なんと未来創造塾の皆さんにもお役に立てるよう取り組んでいます。
 皆さんもぜひ積極的に、意欲的に塾に参加してください。

 

オリエンテーション


オリエンテーション1 なんと未来創造塾が目指すもの

南砺市市民協働課 荒井 昌宏

 南砺市の人口は現在4万5,634人で、外国人が1,000人を超えています。世帯数は1万7,428世帯、面積は琵琶湖よりちょっと狭い668.64平方kmで、稲作、干し柿、里芋、玉ねぎ、にんじんなどの農業や、伝統工芸も盛んです。世界遺産、ユネスコ無形文化遺産など他に誇る文化、芸能などもあり、魅力溢れる市だと思っています。
 田舎暮らしの本では毎年2月号に、住みたい田舎ベストランキングが公表されますが、南砺市はコンスタントに北陸エリアでは上位にランクインしています。
 しかしながら人口は、2010年から2026年までの間に5万4、000人から4万4,000人へ1万人ほど減少し、毎年620人ほどずつの減少となっています。
 人口減少には自然減と社会減があります。自然減は死亡数が出生数を上回ることで、南砺市でも次第に大きくなってきています。また、社会減については転出数が転入数を上回ることで、南砺市では、移住施策などによって転入数が増えるような傾向もみられます。しかしこのままでは50年後を考えるとかなり大変な状況になると思われます。人が住まなくなる地区も出てくることになります。
 南砺市の社会増減を年代別に見ると、進学や就職で市外に出る人が多く、15歳から19歳の間頃に転出数が大きくなります。残念ながら、大学等を終えて就職する段階で戻ってくる人は少なく、特に女性が戻ってこない傾向が強いです。
 南砺市では、人口減少への対策として小規模多機能自治という仕組みを取り入れています。昭和初期の頃の小学校区単位で地域の課題を地域で解決する新たな住民自治で、次第に浸透してきています。しかし、人口減少は止まらず、特に山間部での人口減少が激しい状況です。
 今後想定される地域課題としては、人口減少に伴う経済の低迷、伝統産業の衰退などが挙げられ、婚活支援やジェンダーギャップ対策に取り組んだり、なんと未来創造塾などを実施したりして、課題解決に当たれないかと考えています。
 なんと未来創造塾では、活動を通して皆さんに、地域の課題とビジネス課題の解決が両立するという視点、いわゆる共通価値の創造(CSV)という視点を持っていただきたいと思います。これまでは企業の社会的責任(CSR)という形でボランティア活動のような取り組みで地域貢献を行っていた企業も、経済的な価値、企業利益を地域課題と結び付けて、企業と地域がWin-Winになるという視点を持ち始めています。大きく儲けるというわけではないが、地域の課題解決による持続可能な地域づくりを通して稼ぐ、小さなビジネスにまずは活路を見出してほしいと思います。
 塾生の皆さんに対しては、日本政策金融公庫や熊本大学などと産学官金が連携した支援体制を構築しています。ぜひいろいろなチャレンジが生まれることを期待しています。
 この塾では、講義と演習を通してビジネスプランをつくり、最終的にはそれをポスターとスライドに表現していただいて、修了式で、口頭発表とポスター発表を行っていただくことになります。皆さんの発表を楽しみにしています。

 

オリエンテーション2 地域活性化論① ローカルイノベーターが地域を救う

熊本大学教授・副学長/共創学環長 金岡 省吾

 南砺市から、塾生の皆さんがこれからどのように塾に取り組んでいくのかを話してもらいましたが、私からはまず、ステークホルダーの皆さんに、塾生をどう盛り上げるかについてお話しします。
 私の大学での専門は園芸でした。まちづくりに携わりたくて、三和総研に就職して、地域活性化の戦略を立てる仕事をしていました。当時は大規模なインフラを誘致するという形が主流でしたが、人口が減少に転じて、地域活性化の考え方がずいぶんと変わりました。
 塾生にはいろいろな人がいます。地域おこし協力隊の人、有機農業をやっている人、インテリア系の人、商工会青年部の人、大学生、トレーニング系の人、などさまざまです。
 富山大学から熊本大学に移ったとき驚いたことは、熊本では高校進学から地元を離れる人が多いことです。南砺市では大学進学で地元を離れる人が多いですね。親御さんや地域の先輩たちが、ここにいてもしかたがないよ、みたいなことを言いますし、若者もそんな地域に戻りたくなくなりますね。
 九州の人口増減を見ると、人口が増えているところが2か所あります。博多と、熊本の半導体工場近辺です。とはいえ、半分くらいまで減るところがかなり多いです。
 人を増やすというのはとても難しいことです。でも、悲観するだけでなく、人が減っていく中でどうやってみんなを元気にするのかを考える必要があります。CSVだとか起業増加町、企業のパーパスなどいろいろ言葉はありますが、大切なことは、自分の課題と地域の課題を一緒にして考えることで、皆さんの地域に対する見方を変えることです。それをイノベーションと言います。
 イノベーションを実現していくのが未来創造塾です。富山で塾が始まり、和歌山、熊本に広がり、さらに商工会議所青年部(YEG)へと広がっています。北海道にもこれから広がるのではないかと思っています。全国のあちこちの人が面白がってくれて、南砺の塾も7期となりました。塾では、産学官金の皆さんが、いろいろな話をしてくれます。困ったときには助けてくれます。
 修了生が各地で次第に増えてくると、修了生間のつながりが増えてきます。その中で、高校との連携もスムーズになってきました。高校生を対象に塾で行っているような地方創生の講義を行い、さらに修了生が自分のビジネスの話をするのです。修了生の話を聞いた高校生は、初めは地元には残らないと言っていたのが、地元で活躍するのも面白いと言うように変化します。一度は出て行っても戻ってくる若者が増えるきっかけになるのではないかと考えています。
 それを促すのがステークホルダーの皆さんの言葉です。そういう働きかけをすることで地域が面白くなります。人口減で新規採用が難しくなっている企業の修了生が、私の会社は地域を救うヒーローのような仕事をしている、と高校生に訴えることで、高校生を3人採用できたそうです。また、今まで地元に残るのは恥ずかしいと思っていたけれども、胸を張れるようになったという高校生もいました。大学も、地域の課題解決に関心を持つ学生を確保したいのです。また、高校と地域をつなぐ人材を育てる高校に変えていくことで、志願者が増えたという高校もあります。
 このように、未来創造塾を通して得た経験などを若者に伝えることで、高校や高校生を変えていくこともあり得るのです。皆さんが地域の課題とどのように向き合っているのかを伝えてください。そのことが地域を変えていきます。このような人がローカルイノベーターです。
 最近は、都会の大手企業も地方創生に関心を持っています。塾生・修了生と大手企業の社員とが繋がって、塾生・修了生のビジネスプランを改善しているような事例もあります。
 まずは、皆さんが小さなイベントや活動を考えてください。そしてそれを高校生やいろいろな人と話し合うことで、イベントがだんだんと大きく育っていきます。これが未来創造塾の姿です。
 大学では、学生は修了生のビジネスプランの提案を聞きたがっています。それを聞いて、地方で働くことはダサいことだと思っていたが、まずは民間で働いて地方創生に携わりたくなった、という学生がたくさんいます。高校生と同じですね。国をけん引するような大きな企業を持ってくることと同時に、課題解決に取り組む企業をどんどん増やしていくことが、地域活性化には重要です。
 まずは皆さんのアイディアを磨いて、誰かに話してみてください。そうすると次第に形になって動き始めるはずです。皆さん、ぜひ頑張ってください。

 

オリエンテーション3 日本政策金融公庫の取り組み①

日本政策金融公庫高岡支店長 野上 敏充氏

 私からは、日本政策金綱公庫の取り組みをお話します。
 日本政策金融公庫という会社を御存じでしょうか。あまり表に出てこない会社です。法律に定められている金融機関で、コマーシャルを打つとかポスターを使ってPRすることができません。日本政策金融公庫は、国民生活金融公庫と農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫が平成20年に統合されてできました。私は国民生活事業に所属しています。
 日本政策金融公庫は、民間の金融機関では対応できないような政策金融を行っています。公共性の高いもの、リスクの適切な評価が難しいもの、深いリスクテイクをすることが必要なものに融資などを行っています。熊本の地震に対しても、八代の震災に対する金融支援として職員が応援に行っています。災害からの復旧における金融支援も私たちの役割です。
 その中で国民生活事業は、主に小企業、小規模事業者の方々への支援です。それを適正にやっていくことで、地域経済の発展、振興につなげるということです。主に3本柱として、小規模事業者へのサポート、創業支援スタートアップ支援、政策性の発揮です。ここは民間の金融機関さんにはあまり積極的に首を突っ込めないところで、我々がやっているという側面もあります。
 中小企業ならびに小規模事業は、日本で言うと大企業を含め全部で358万社のうち、99.7%を占めています。ほとんどが中小規模事業者ということです。
 その中で、国民生活事業は 115万先と現在お付き合いをしています。信用金庫は全国合わせて124万先、国内銀行も全部合わせて218万先です。国民生活事業は日本公庫1社だけで115万先ですが、1先あたりの平均融資残高が803万円と低くなっていることからも、国民生活事業の役割が見て取れるかと思います。
 3本柱の2つ目が、創業支援スタートアップ支援です。他の金融機関さんは、0からの事業に対して融資できるかどうかという判断が難しくなかなか積極的に動けないのが実情です。しかし、日本公庫ではそれが政策性の役割となっていますので、創業支援については、積極的に融資支援をしています。昨年度の実績では、年間で 2万9,320件の新規開業創業者への融資をしています。
 その他、いろいろな創業支援を行っています。融資に至らず相談段階で終わってしまうケースもありますし、最終的には日本公庫を利用されないケースもあります。いずれにしろ、創業したいという方は大歓迎ですので、創業の内容や経過鵜を見せていただいてアドバイスをしたり、過去の実績やデータなどを提供したりして参考にしてもらう取り組みもしています。
 平成元年以降に上場した企業が3,000先近くありますが、そのうち1,024先が日本公庫を使って創業した会社という結果が出ています。全国的に知られている会社も、日本公庫を利用してスタートを切ったところが多いということです。
 事業承継についてですが、高齢化が進んで事業所、事業者も減少しています。第三者承継は検討しないという後ろ向きの経営者が多く、後継者候補が少ないのも問題です。倒産以外で休業・廃業や解散企業は6万件以上ありましたが、半分くらいは黒字のまま辞めたということです。黒字が出る事業をやってきたにもかかわらず継ぎ手がいないというのはもったいないので、意欲のある後継者候補とのマッチング事業も行っています。
 日本公庫は株式会社ですが、利益をあまり追及するという野暮なことは言いませんので、融資を受けなくても、情報を入手する方法としてでも使っていただければ幸いです。
 配付した資料の中の情報コンテンツカタログに多くの冊子を紹介しています。QRコードをかざせば内容が見られます。冊子もありますので、必要であればお声がけください。

 

第7期の塾生と塾長

石黒 優樹  地域おこし協力隊
内河 磨識  有限会社トータルインテリア内河
落合 耀平  金沢大学
川合 清子  Lisoel-リソエル-
北川 弓子  北野地域づくり協議会
坂本 美来  地域おこし協力隊
谷口 恵   株式会社谷口板金
苗加 裕文  有限会社苗加インテリア
山下 実穂  第一交易株式会社

 

関係機関・塾長からのエール

一般社団法人となみ青年会議所理事長 山本 健太氏

 私は砺波市在住で、今36歳、仕事は砺波市で建設業をしています。なんと未来創造塾には第6期の修了式から参加していますが、なんと未来創造塾は、となみ青年会議所にとっても新しい発見やいろいろな価値観を取り入れる素晴らしい機会だと感じています。
 皆さんにはぜひ夢を見つけていただきたいと思います。併せて、幸せも見つけていただきたいと思います。そしてその夢や幸せをいろいろな人に話していただきたいです。そうすることでつながりができ、自分自身何がしたいのか明確になると思います。そこから事業も発展していくことと思います。

 

南砺市地域づくり協議会連合会長 戸成 博宣氏

 今日ここに来るにあたって、創造という言葉を改めて辞書で引きました。すると、新たに作ること、今までになかったものを生み出すこと、とありました。英単語で言うとクリエーション、とも書いてあり、心を動かすという意味から生まれていると書いてありました。
 塾では、皆さん一人ひとりが、トライを通して自分の心を揺さぶり、心を動かしていくプロセスを十分に楽しんでいただきたいと思います。そして小規模多機能自治の中で、皆さんの活力が生かされていくことを願っています。第7期塾生の皆さんのチャレンジを応援するともに皆さんの検討をお祈りしています。

 

第6期修了生 株式会社ノハラ 野原 将史氏

 昨年度この塾を修了した株式会社ノハラの野原です。昨年度は大変お世話になりありがとうございました。
 塾を経験して印象に残ってることは、新しい視点を頂いたことです。自分自身の事業について、自分の会社の売上を伸ばすということの他に、地域にどのように役に立つかとか、南砺市が抱えている課題にどのように関わっていくかというのは、あまりイメージしてこなかったのですが、人口減少にも自分のビジネスを通して具体的に関わっていけるという新しい視点を頂いたので、これから頑張っていきたいと思っています。皆さんも頑張ってください。

 

なんと未来創造塾長・南砺市長 田中 幹夫

 今、塾生の自己紹介を兼ねたスピーチを聞いて、 本当に何か嬉しいと思いました。
 冒頭に言いましたように、私は皆さんの応援団です。私の得意分野は、いろいろな人と会う機会が多いので、その人たちをどうやってつなぐか、ということをいつも考えていることです。皆さんから今日聞いた話と修了式で聞くビジネスプランを合わせて、誰かとつないでいくことがあるかと思います。
 今日会った人についてですが、木製のバット職人です。自分のバット工場を持って大リーガーのバットを作りたいと言っていました。さらに、野球のバットの市場よりも、インドのクリケットのバットの市場の方が大きいので、クリケットのバットを作ってはどうか、とも言っていました。インド周辺のクリケット人口は、日本の野球の何十倍もあるようで、このような発想のしかたでこれからのバット業界をどうしていくか考えている若者がいる、ということで勇気をいただきました。
 これからのビジネスプラン構築に際して、冒険をするところもあるかもしれませんが、各方面からの支援を得て、みんなで応援していきます。みんなで頑張りましょう。

 


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